・今週の急激なリバウンドは、先物売りのショートカバーによるところが大きい。しかしこの買い戻しも一巡した状況
・当面は16000~20000レンジで荒く揉み合う展開を想定
今週の株式市場は大きくリバウンドする展開となりました。日経平均は25日には19564円まで上昇しており、今日27日は権利取り最終日とあって大引けに掛けて値が飛んだ印象もあり、今週は需給的に株式市場が上がり易い環境にあったと見ております。
振り返ると、あらゆる資産クラスが売り叩かれる“無差別な売り“のピークは先週時点で峠を越し、その後急激なリバウンド局面に転じたものと見ております。
しかし、この急激な戻りも先物売りのショートカバーによるところが大きく、急激に悪化した景気の回復を期待した新規の買いは限定的であったと見ております。
あくまでも空売りの買い戻しと、リバウンド狙いの買いが爆発したことによるところが大きく、そしてこのショートカバー(先物売り方の買い戻し)も日経平均19500円台回復時点で一巡した状況にあるのかなと見ております。
理由として、株価は急騰しましたが依然コロナウイルス感染拡大の終息時期が現状は見えない状況にありますし、景気の落ち込みが数値化されて発表されるのもこれからとなりますので、先週と変わらずこの不透明感が続いているなかでは、日経平均の20000円から上を買う向きはかなり限られるのではないかと考えております。
ある程度の厳しい景気悪化は先週の安値付近までで、相当程度は株価に織り込まれた為、再度“底割れ“という展開は想像を絶する景気悪化や未知の悪材料が出ない限り、現時点では想定しておりません。
しかし逆に、上値についても景気の落ち込み具合やパンデミックの終息時期が見えてこないと、景気の底打ち後の回復がイメージしづらいのではないかと見ております。
感染者数の増加ペースが低下し、人々も冷静さを取り戻して消費に回復の兆しが見られるまでは、過度の悲観による売られ過ぎの修正と景気底打ち後のV字回復に対する期待だけで買えるのは、日経平均で2万円付近までと考えております。
また引き続き不透明要素の強い現状は、VIX指数の低下基調などが確認されるまで、16000~20000円レンジで荒い値動きが続く相場を想定しております。