なぜ景気先行きが総悲観のなか、日経平均は上昇しているのか? 現時点の株式市場を取り巻く環境

 

最近、非常にお問い合わせの多い「なぜ日経平均は上昇しているのか?」「二番底はあるのか?」といった問いにお答えします。

KEY POINT
・NY金融街ウォールストリートの相場観と日本の投資家の見方にはかなり温度差がある

 

・日経平均株価の想定レンジは16000~20000円を想定しており、コアレンジは当面17500-19500をイメージ

 

・今後のリスクシナリオ

 

米株(S&P500、NYダウ)と日経平均の動きは連動しますし、日本株のメインプレーヤーは今も昔も外国人投資家です。故にインデックスの方向性と上げ下げのリズム自体は米株と連動します。

面白いのは米株(S&P500、NYダウ)が3/25の戻り高値を突破し、2月後半からの急落幅の半値戻しを達成しているのに対し、日経平均は3/25高値を抜き切れていないところでしょう。やや日本株が弱いのは、景気の先行きを見ると日本国内の景気先行きがかなり悲観的なところに拠ると見てります。

 

足元の上昇局面は日本人の目からは異様に映るかもしれませんが、NY金融街ウォールストリートの相場観と日本の投資家の見方にはかなり温度差があります。

ウォールストリートではコロナショックの最悪期は4-6月期と見ており、今年後半からはV字回復をイメージ。4-6月期が陰の極みと見て、足元は年末の株価水準を意識して株価は上昇している展開をイメージしております。株価は実体経済から先行して(予想して)動くものですので、年末のS&P500がどの水準位あるかをとても強く意識してる状況にあります。

こうなると、3月及び4-6月期に関しては今後出てくる雇用などの経済指標や企業業績に関しては相当悪くても材料視されない可能性があります。

逆にワクチン開発の進展や治療薬の臨床試験進捗に関するポジティブな材料にはかなり食いつきが良いように映りますし、感染拡大の進捗具合(感染拡大が進みピークを付けること)を自体が進捗したと捉えている向きがあります。

 

米国では感染者数が頭打ちとなる中、ピークを打ちつつあるとの期待感及びロックダウン解除の時期が注目されております。マーケットでは5月末までのロックダウン解除をイメージして足元の株価が年末の想定水準に向けて上昇している背景がある為、この前提が崩れれば株価は下方へ修正される余地があるでしょう。現時点ではウォールストリートの描いた楽観シナリオは順調に進んでいると言えます。

日本人の目からは、やや楽観と先走り過ぎている感は否めませんが、CNBCの記事を読んでいるとウォールストリートの楽観に傾いた相場観が見えてきます。

 

CNBC掲載の各投資機関によるS&P500年末目標株価↓
https://www.cnbc.com/market-strategist-survey-cnbc/
注)このページの数値は見通しの変更がある度に随時更新されます

株式市場を取り巻く環境 CNBC

※www.cnbc.com より抜粋
項目は左から[金融機関] [ストラテジスト] [S&P500年末目標] [1株EPS] [PER]となります。※Suspendedは見通しを見送ったことを意味します。
これを見ると、今日現在のS&P500の平均目標は2896、中央値は2760となっております。先週末のS&P500の終値は2789である為、時価からの上値余地は限られてきている可能性があります。

もう若干程度上昇余地はあると思われますが、年末の予想をある程度織り込みつつありますので、ここからの上昇は緩やかになってくる可能性があると見ております。また、今週から米企業1-3月期の決算発表が始まりますが、注目は今年後半の業績見通しに関する事項に集中すると思われます。※4-6期の悪化は、ある程度予想されているので材料視されない可能性があります。

 

今後のパンデミックの進展具合と実体経済が具体的な数字で擦り合わせられてくると見ておりますが、現時点ではウィルスに関しても実体経済に関しても解らないことだらけの為、期待値だけで動く相場が続く可能性があります。

アルゴズブレインでは、株価推移とチャートの軌跡は“人間心理”そのものが描かれていると考えております。また、株価は実体経済から先行して(予想して)動くものですので、後で振り返ると今の株高が誤りであったとしても何ら不思議なことではなく、人間の心理が相場を動かしているという事実は理解しておく必要があるかと思います。

また、仮に誤りがあれば後に修正されるということも併せて理解しておく必要があります。

これらを踏まえてアルゴズブレインでは、引き続き日経平均株価の想定レンジは16000~20000円を想定しており、コアレンジは当面17500-19500をイメージしております。

 

世界の株式市場の二番底や底割れの可能性に関しては、今後のリスクシナリオとして以下のことが現実味を帯びてきた際に起こる可能性があると考えております。逆に以下のことや想定外の悪材料が出ないのであれば、株価は現状のトレンをを維持して回復基調が続く可能性があります。

 

・米国ロックダウン解除時期の後ズレや解除したとしても、秋頃から感染第二波の来襲懸念
・上記が実現すれば、経済コストの上積みで大盤振舞いとなった金融・財政政策に不足が生じ、マーケットが動揺する懸念
・世界的に大型の金融・財政政策が実行されているとはいえ、多くは個人と企業の債務の積み増しです。債務の膨張は将来の利益圧迫を意味しますので、V字回復となっても企業利益が伸び悩む懸念
・上記債務の膨張による信用不安の顕在化

 

今後の景気と株価の行方は結局のところ“コロナ感染拡大を取り巻く状況“次第となります。ウィルスの季節性の有無や免疫の有効性と有効期間、ワクチンの開発と流通時期、そもそもワクチン開発は成功するのか?既存薬に拠る有効な治療法の開発など、現時点で疫学者もわからないことが多すぎな状況です。

世界経済の先行きはこれに依存します。

 

 

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