今週の株式市場は年末の動きを引き継ぎ、日経平均株価が強い上昇となりました。
米国では上院と下院を民主党が過半を占める、まさかの「ブルーウェーブ」シナリオが実現。バイデン氏の政策の中心が「増税」と「大規模インフラ政策」であることから、前者の「増税」を懸念して売られると思いきや、マーケットは後者を評価し急騰で反応する結果となっております。
この流れを受けた日経平均の動きは、週序盤こそ売りでスタートしたものの週末に掛けて上げ足を早め、結局28000円台で取引を終えております。
ここ最近の金融市場の動きは慌ただしく、ビットコインへ巨額の投機マネーの流入が止まない他、ゴールド、シルバーが乱高下するなど、至るところで投機性の強い動きが散見されます。週末の米雇用統計では、事前予想に反してまさかの悪化も、株価は上昇する異常事態となっております。
各市場の動きを見ると、強いのは日経平均だけではなく、株式市では欧州及びアジア市場のパフォーマンスが米国市場より高い傾向があります。コモディティでは金が上昇局面から週末に掛けて急落した他、WTI原油先物は50ドル台を回復し、コロナ前の価格水準に戻っております。米10年債利回りが昨年末比+22.09%となり、世界的低金利下において利回りが1%を超えてきました。
先週の各市場の動き (週間騰落率)
<国内市場>
日経平均株価 28,139.03 +2.53%
TOPIX 1,854.94 +2.78%
マザーズ指数 1,235.64 +3.27%
JASDAQ指数 184.70 +1.68%
ドル/円 103.97 +0.75%
<アジア市場>
上海総合指数 3,570.11 +2.79%
香港ハンセン 27,878.22 +2.38%
韓国総合株価指数 3,152.18 +9.70%
<米国市場>
S&P500 3824.68 +1.83%
NYダウ 31,097.97 +1.61%
ナスダック総合 13,201.98 +2.43%
<欧州>
ユーロ・ストックス50 3,645.05 +2.60%
独DAX 14,049.53 +2.41%
英FTSE100 6,873.26 +6.39%
仏CAC40 5,706.88 +2.80%
<その他>
WTI原油 52.72 +8.66%
NY金先物 1,849.90 -2.72%
米10年債利回り 1.119 +22.09%
シカゴVIX 21.56 -5.23%
この様な流れの中、日経平均は27000円を抜けてからの上げ足を速めており、日足はボリンジャー+3σを突破して今週末の取引を終えております。今の相場の異様な強さを物語っている状況ですが、ただ、これまでにこの+3σを上回っている状態が続くことはあまりない為、短期的には高値警戒感から数日足踏みとなる可能性はあると見ております。
※日経平均の日足チャート
しかし、足元の株高は世界的な流れとは言え欧米と比較しても日本株の強さが目立っており、海外勢による日本株買いの動きが続いている様子が見受けられます。
日経平均は一旦強い動きが出るとしばらく上昇基調が続く傾向がありますので、今回の上昇も昨年11月や5月後半に見られた上昇時のように、ボリンジャーバンドの+2σに沿ったバンドウォークを形成するパターンに発展するか注目されます。
一方、新興市場はマザーズ指数が5日移動平均線に沿った上昇が継続しているが、勢いに物足りなさを感じます。しかし、年末に掛けての売り一巡で需給が改善しているとのこれまでの認識に変わりは無く、このままずっと物色の蚊帳の外に置かれるとは考えにくいでしょう。
個別株物色の体感温度は日増し上昇しておりますので、マザーズもこの流れに追随するか注目されます。マザーズ指数の日足では、目先は上昇トレンド発生するかこれを試す局面にあると認識しております。
日経平均は高値警戒感が強い状況ですが、個別株物色の体感温度が上がっているとは言えまだまだ過熱状態にはありません。マザーズにおいては出遅れ銘柄も多く、今の株高トレンドが続いている間は流れに乗るべきであると考えております。
※マザーズ指数の日足チャート